名の変更、氏の変更に関する裁判事例

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※あくまで過去の裁判事例を取り上げており、ここに記載されている事案に該当するからといって、許可・不許可になるわけではありません。裁判所は個別に判断いたします。


氏の変更許可申立事件(許可事例)

・性的虐待を受けたことによる精神的外傷の後遺症からの脱却を目的とする氏の変更、名の変更が認められた事例(大阪家庭裁判所審判平成9年4月1日)
→申立人が氏名の変更を求めるのは、珍奇であるとか難読・難解であるとか、社会的差別を受けるおそれがあるといった社会的要因によるものではなく、「主観的なしかも極めて特異な事由である。・・・」
主観的事由ではあるが、「近親者から性的虐待を受けたことによる精神的外傷の後遺症からの脱却を目的とするものであり、氏名の変更によってその状態から脱却できるかについて疑念が残らないでもないけれども、上記認定の事実に照らせば、戸籍上の氏名の使用を申立人に強制することは、申立人の社会生活上も支障を来し、社会的に見ても不当であると解するのが相当」であるとして、氏の変更と名前の変更どちらも認められております。
※なお、名前については通称として使用している実績があります。


・婚姻後妻の氏を名乗ることとしたが、婚姻中に夫の強い抵抗により夫の氏に変更し、離婚後更に再度変更前の氏に戻ることを認めた事例(宇都宮家庭裁判所審判平成7年9月22日)
→夫婦別姓が認められない法制の下では理解できる心情等とした上で再度の変更を認めています。


・婚氏続称後に前夫からの婚氏を使わせないよう嫌がらせを受け、名の変更が認められた事例(札幌家庭裁判所審判昭和56年5月12日)
→申立人が氏名申立人は離婚に際して婚姻中の氏の継続の届出をしていたが、その後も前夫から単に不当な行為であるとは看過できない異常な嫌がらせを受けたため、日常生活に与える影響も甚大であり、また前夫のそのような嫌がらせは離婚時に想像し得なかったとして氏の変更が認められました。



名の変更許可申立事件(許可事例)

・親の昔の恋人と同じ名を付けていたことが発覚し、円満な家庭環境を害する虞が強いとして、名の変更が認められた事例(前橋家裁沼田支部審判昭和37年5月25日)
→父が娘に昔の恋人と同じ名をつけた後、出産入院中に父の昔の恋人に「よりを戻そう」という趣旨の手紙の草稿を書いていたことを、出産入院後、自宅に帰ってきた妻に発見され、「一生涯子どもの名を呼ぶ度にこの耐え難い思いを呼び起す」として求めた改名が許されたものです。
※なお、この事案は生後2か月で改名が認められています。

氏の変更許可申立事件(不許可事例)

元暴力団員が名の変更許可を申立てたが、却下された事例(仙台家庭裁判所審判平成11年1月5日)
→過去の経歴による支障等の証拠がなかったこと、約5年前にも氏を変更しており、短期間に氏及び名を変更していたことから、人の同一性の認識についての国家・社会の利益を損なうとして申立てを却下しています。

氏の変更許可申立事件(不許可事例)

前科者が名の変更許可を申立てたが、却下された事例(東京家庭裁判所審判昭和41年7月18日)

→前科の汚名を受けた氏から解放されて心機一転して更生したいというだけでは、氏の変更を認める「やむことを得ない事由」とは認められないとされて、申立てを却下しています。
なお、元暴力団員だった方の事案につき、旧姓にまつわる不当な関わりを絶ち、本人が更正するための現実の危険を少しでも除去するために必要なものであると認められれば、やむを得ない事由があるとして改姓が認められた事例がありますが(宮崎家庭裁判所審判平成8年8月5日)、当職の経験上、ハードルはかなり高いです。ましてや通称としても使ったことがない氏に変えるのは至難の業と言えます。

名の変更許可申立事件(不許可事例)

同一戸籍内の者と同一の名を子につけることを認めなかった事例(名古屋高裁決定昭和38年11月9日)
→「名はその人を特定する公の称呼であるから、いかなる名が付けられるかについては本人自身はもちろん世人は利害関係をもっている。したがって、難解、卑猥(ひわい)使用の著しい不便、特定(識別)の困難などの名は命名することができないものと解す」と述べた上、 妻「伸子」との間に生まれた長女に「伸子」(『しんこ』とのふりがな付き)と名付けた出生届について、 「『伸子』(しんこ)と『伸子』とはまぎらわしい名であって世人が同一戸籍内の『伸子』なる者から『伸子』(しんこ)を識別すること、すなわち『伸子』(しんこ)を特定することは困難である」 「本件出生届は、名の特定の困難な命名として、戸籍法に反する違法な届出と云うべきである」とし、同一戸籍内の者と同一の名を子につけることを認めませんでした。
※なお、これは出生届に関するものであり、結婚や養子縁組まで同じ取扱いにならないと解されております。


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